2025/12/05 11:12
こんにちは!
今日は、当店でも大人気のヒマラヤ水晶について、ちょっとディープなお話をしようと思います。
マニカランとマニハール
皆さん、「マニカラン」と「マニハール」。この2つの名前、ちょっと似ていますよね?
「どっちもヒマラヤの水晶でしょ?」「マニカランのご近所がマニハールなの?」
こんなご質問をいただくこともあります。
実はこの2つ、地理的には「お隣さん」だけど「別の谷」にあるんです。
今日は、知っているようで知らない、この2つの聖地の地理関係をスッキリ解説します!
神々が住まう地「クル地方」
まず、大前提として、どちらもインド北部のヒマーチャル・プラデーシュ州にある「クル地方(Kullu District)」というエリアにあります。
ここはヒマラヤ山脈の麓、「神々の住まう谷」と呼ばれるほど、神秘的で美しい場所です。
このクル地方を流れる大きな川(ベアス川)に、いくつかの支流が合流しているのですが、ここで「谷」が分かれます。
有名な「パールヴァティ渓谷」と「マニカラン」

まず、一番有名なのがパールヴァティ渓谷。シヴァ神の妃、パールヴァティの名を冠したこの巨大な渓谷は、観光地としても非常に有名です。
この渓谷の入り口から少し奥に進んだところにあるのが、温泉地であり聖地でもある「マニカラン(Manikaran)」という町です。
場所:パールヴァティ渓谷の主要な町
水晶の特徴:鉄分を含んだ土壌の影響で、ピンク色やオレンジがかった、力強くワイルドな水晶が多く産出されます。
知る人ぞ知る「ガルサ渓谷」と「マニハール」
そして、ここからが重要です!
パールヴァティ渓谷の入り口(ブンダルという町)から、川沿いに少し南へ下ったところにあるのが、「ガルサ渓谷(GarsaValley)」です。
パールヴァティ渓谷とは山を隔てた「隣の谷」になります。
このガルサ渓谷をずーーっと奥へ進み、標高が高くなった最奥のエリアにある村が「マニハール(Manihaar)」です。
場所:ガルサ渓谷の最奥
水晶の特徴:マニカラン産とは対照的に、驚くほどの透明度と、クローライト(緑泥石)を伴った、繊細で高貴な美しさを持つ水晶が特徴です。
なぜ混同されることが多いの?
地図で見ると、直線距離では非常に近いんです。
そして以前は、この周辺で採れる水晶をまとめて広義の「マニカラン産(クル産)」として流通させていた時期もありました。
そして以前は、この周辺で採れる水晶をまとめて広義の「マニカラン産(クル産)」として流通させていた時期もありました。
当店のバイヤーもよく「クル渓谷産」という表記を見かけました。
実際、くくりが大きなだけで間違ってはいないです。
実際、くくりが大きなだけで間違ってはいないです。
しかし、マニハール産の水晶があまりにも美しく、品質が際立っていたため、現在では「マニハール産」という独立したブランドとして区別されるようになったのです。
まとめ:似ているけれど、個性は別!
マニカラン=観光客も訪れる賑やかな聖地(パールヴァティ渓谷)
マニハール=静寂に包まれた秘境の村(ガルサ渓谷)
「マニカラン」がエネルギッシュな王様だとしたら、「マニハール」は透き通るような高貴な女王様といったところでしょうか。
同じヒマラヤの空気を吸って育った兄弟のような水晶たちですが、育った「谷(お家)」が違うだけで、こんなにも個性が変わるなんて面白いですよね。
ぜひ当店で、その違いを見比べてみてくださいね!
