2025/12/18 09:38

こんにちは!いつも当店のブレスレットをご覧いただき、ありがとうございます。

今日は、天然石ブレスレットをお選びいただく際にお客様からよくいただく「サイズ」にまつわる、ちょっとマニアックで大切なお話をしようと思います。

当店では、商品によって「17cmまで選べるもの」もあれば、「16cmまでしか作れないもの」があります。これには、天然石ビーズならではの「歩留まり(ぶどまり)」という、避けては通れない理由があるんです。

「歩留まり」ってなに?

聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言うと「用意した原石から、製品として使える部分がどれくらい採れるか」という割合のことです。

当店のブレスレットの多くは、原石を輸入して国内で一点ずつビーズに加工しています。でも、届いた原石のすべてがビーズになれるわけではありません。

  • 形の問題: 丸玉を作るには、その玉の直径よりも一回り大きな立方体が必要です。

  • キズや内包物の問題: 表面に大きな亀裂があったり、せっかくの美しい内包物が偏っていたりする部分は避けてカットします。

15mmや大玉の場合、さらにシビアに

特にマニハールやガネーシュヒマールのようなヒマラヤ水晶の原石は、ゴツゴツとした複雑な形をしています。

例えば、15mmや12mmといった大玉を作る場合、そのサイズを切り出せる「厚みがあって、かつ中が美しい部分」というのは、大きな原石の中でもごくわずかしかありません。

一生懸命カットして、磨き上げて、ようやく完成したビーズを集めたとき……。 「17cm分(約15〜16粒)揃えたかったけれど、どうしても最高品質の粒が14粒(約16cm分)しか採れなかった!」ということが、一点物の制作現場では日常茶飯事なのです。

「16cmまで」は、品質を妥協しなかった証

もし、無理に17cm分揃えようとすれば、少しクオリティの落ちる粒を混ぜなければなりません。でも、当店では**「その原石から採れた最高の粒だけ」**で一本のブレスレットを組み上げたいと考えています。

そのため、 「このブレスレットは、この原石の魂を使い切って16cmが限界でした!」 というお品が出来上がります。

お客様の中には「もう少し大きければ……」と残念に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、最大サイズが小さめのブレスレットは、それだけ「限られた貴重な原石から、良いところだけを贅沢に抜き出した証」でもあるんです。

そんな制作の背景にある「石との真剣勝負」も一緒に感じながら、運命の一本を選んでいただけたら嬉しいです。