2026/04/09 12:11
皆様こんにちは。バイヤーのマツモトです。今回はヒマラヤ水晶の産地であるインド・ヒマーチャル・プラデーシュ州、パールヴァティ渓谷の奥深くにあるカソールのご紹介をさせていただきます!
■ 01 カソールってどこにある?── ヒマラヤの懐へ、16時間の旅

インドの首都デリーから、カソールまでの道のりは決して短くありません。
夕方17時にデリーを出発し、夜行バスに揺られること約14時間。
途中、ブンタールという町で下車し、そこからさらにタクシーやバンで山道を2時間。
正直、むちゃくちゃ揺れます笑
そして、合計16時間の旅の末に、ようやくたどり着く場所がカソールなんです。
そして、合計16時間の旅の末に、ようやくたどり着く場所がカソールなんです。
バスの車窓から眺める景色は、デリーを離れるにつれてじわじわと変わっていきます。
平野がいつしか丘陵地帯に変わり、ブンタールから乗り換えた車が山へと分け入ると、両脇から迫ってくる岩と緑の壁がどんどん高く、深くなっていく。
道の片側はむき出しの崖、反対側は深い谷底。ガードレールもほとんどない山岳道路!
でも、運転手さんは慣れた様子で走り抜けていきます。
ちょっとココを運転する自信はないな…という感想を抱いた山道。
ちょっとココを運転する自信はないな…という感想を抱いた山道。
◆アクセス概要

デリー →(夜行バス 約14時間)→ ブンタール →(バン・タクシー約2時間)→ カソール
※バスチケットはデリーの安宿街「パハールガンジ」のチケット屋で購入可能。ちょっと高めではありますが快適さのためにも、ボルボバス一択です。
※パハールガンジはバックパッカーを狙った悪い人たちが集まっている場所でもあります。何か話しかけられても基本相手にしなくてOK。

インドには趣のあるシブいバスもありますが、日本から来た人にはボルボクラスのバスがおすすめです。
乗り心地が全然違う!
乗り心地が全然違う!
16時間の旅路、なんて聞くと日本だったらきっとげんなりしてしまう距離ですよね。
でも、「これほどの道を越えた先にある」という事実が、カソールという場所にある種の神秘性を与えているのかもしれません。
石たちも同じです。
はるか山の奥深くから、長い時間と距離をかけてやってくる。
そのことを、この旅路は体で教えてくれます。
でも、「これほどの道を越えた先にある」という事実が、カソールという場所にある種の神秘性を与えているのかもしれません。
石たちも同じです。
はるか山の奥深くから、長い時間と距離をかけてやってくる。
そのことを、この旅路は体で教えてくれます。
■ 02 「呼ばれる」場所 ── カソールとの不思議な縁

一度は全ての予約を済ませたのに、出発直前になって「なんとなく行く気になれなかった」と感じてキャンセルしてしまった人が、しばらく後にまったく別のきっかけで急遽訪れることになった──という体験談を、複数の旅人から耳にします。
「呼び寄せられた村」という表現が妙に腑に落ちるんですよ。
カソールとはそういう場所で、準備が整った人にだけ、扉が開かれるのかもしれません。
これは私たちがヒマラヤ水晶の買い付けで感じることとよく似ています。
石との出会いも、「今日こそこれを仕入れよう」と決めていた石に限って縁がなく、思いがけない一つが手元に残る。
人も石も、選ぶというよりは「引き合わされる」感覚があるのです。
カソールという土地そのものが、そういう引力を持っている場所なのかもしれません。
■ 03 渓谷に現れる絶景 ── 言葉を失う、ヒマラヤの圧倒的な美しさ

山道を2時間走り、視界が開けた瞬間に飛び込んでくるのは、白い雪冠を頂いたヒマラヤの峰々です。
パールヴァティ川の流れも圧倒的に清らかで、デリーの喧騒から旅してきた身には、同じインドとはとても信じられません。
北インドは本当に美しい場所が多いんですよ。
川岸に近づくと、そのまま飛び込んでしまいたくなる(絶対ダメ!)ほど透き通った水が流れていて、山から流れてくるヒマラヤの雪解け水は、触れた瞬間に体を震わせるほど冷たい。
白い雪と深い緑のコントラスト、周りの素朴な石造りの家々、そして空の青。
カソールの朝、振り返ると雪山が輝いているという体験は、ここに来た人だけが知る特別な瞬間です。
ヒマラヤ水晶が、この大地の奥深くで生まれるということが、この景色の前に立つと自然と実感できるんです。
■ 04 世界中のバックパッカーが集まる村 ── ミニ・イスラエルの賑わい
カソールには、世界中から旅人が集まってきます。訪れる外国人旅行者の実に75%がイスラエル人だと言われ、「ミニ・イスラエル」という別名まであるほど。
兵役を終えた若者たちが、長い旅の目的地の一つとしてこの山奥の小さな村を選んでいるのです。
そんな国際色豊かな空気を反映するように、村の食事事情も独特です。
なかでも微笑ましいのが「ジャーマンベーカリー」の多さ。
バックパッカーの聖地には必ず一軒あるという定番のお店なのですが、カソールにもあります。

チャイは甘さ控えめでジンジャーが効き、パラタはチーズたっぷりであつあつ、生地はもちもち。
チベット文化圏の定番料理「モモ」(蒸し餃子に似た食べ物)も絶品で、日本人にも割と馴染みのある味です。
馬やロバが荷物を運ぶ姿、ヤギの群れが道を占領する光景。
都会の旅行者には非日常が、ここでは普通の一日として淡々と続いています。

インドにいると牛やヤギが道を歩いていることにすぐ慣れます笑
■ 05 周辺の村へ足を延ばして ── トシュ、マニカラン、キリガンガ
どこに行っても「来てよかった」と思える場所ばかりです。
▷ マニカラン

ヒマラヤ水晶でおなじみのマニカラン。
カソールからさらに山奥へ入った標高2,000メートルの小さな町です。
カソールからさらに山奥へ入った標高2,000メートルの小さな町です。
シク教の聖地として知られ、なんと無料の温泉が湧いています。
シク教寺院(グルドワラ)で誰でも無料の食事もいただける。
カースト、信仰、国籍を問わず、全ての人に食事を分かち合うという「ランガル」の精神がここには生きています。
シク教寺院(グルドワラ)で誰でも無料の食事もいただける。
カースト、信仰、国籍を問わず、全ての人に食事を分かち合うという「ランガル」の精神がここには生きています。
▷ トシュ村
ここからの景色は渓谷一とも言われ、向こうに広がるヒマラヤの全景は息をのむ美しさです。
カソールからバンでがったがたの道を1時間行くトシュバレーで、名もなき食堂に3時間座って薄いコーヒーとマギーを食べながら景色を眺める。
幸せってこういうシンプルなことなんだよな、と思い出させてくれる場所です。
▷ キリガンガ
トレッキングで3時間ほど山を登った先にある秘境の温泉。美しい谷と森林を越えた先に露天風呂があり、パルバティ渓谷の絶景を眺めながら入浴できます。
道は比較的緩やかで、トレッキング初心者でも楽しめます。
■ 06 ヒマラヤ水晶が生まれる土地 ── パルバティ渓谷とヒマーチャル・プラデーシュ州

私たちがお届けするヒマラヤ水晶の多くは、このカソールが位置するヒマーチャル・プラデーシュ州の山岳地帯で採掘されたものです。
標高数千メートルの岩盤の中で、長い時間をかけてゆっくりと育まれた原石が、パルバティ渓谷の麓を通り、私たちの手元へと届きます。
この地の名前「パルバティ」は、ヒンドゥー教の神シヴァの妻・パールバティーに由来します。
シヴァは瞑想と変容の神。
そのパートナーの名を冠した渓谷で生まれた石には、深い精神性と静けさが宿っていると感じるのは、きっと私だけではないでしょう。
「チベットの文化、自然、心が吸い付くような感覚」── この土地の空気を吸ったことのある旅人たちは、そう語ります。ヒマラヤ水晶の透明な輝きの中に、その感覚の欠片が宿っているような気がしてなりません。
白い雪山、澄んだ川、石板屋根の素朴な家々、そして世界中から「呼び寄せられた」旅人たち。
カソールはそういう場所です。
行くのは本っっっ当に大変で、何かがあるわけじゃないけど…また戻ってきたくなる。
私たちが一つひとつ手に取り、選び抜いたヒマラヤ水晶には、この大地の記憶が静かに刻まれています。
石を手にとるとき、どうかこの渓谷の風景を少し思い浮かべてみてくださいね!
